• Tumblrユーザーボイス: 福島県いわき市小名浜在住・untangle./たんようすけ(からみほぐし研究所)さん。

      様々な線、曲線を操りドローイングを作成するアーティストであり、オルタナティブ表現スペース・UDOK. の主催者であり、また地元小名浜とその海を見守り続ける住民のお一人です。ドローイングや朝の散歩風景の写真をとかげとかめのしっぷにアップされています。今回は興味深いお話をたくさん聞かせて頂きましたので、2回に分けて掲載致します。では、まず第1回をどうぞ。

      ・からみほぐし研究所ではあらゆる事象を線で捉えること、線で再構築することを基に表現をされているということですが、どうしてそもそも線に惹かれたのでしょうか?

      初めて自分の線に向き合ったのは大学院時代です。

      大学院に進学したとき、自分にはデザインや造形として建築や環境というものを捉えること・表現することに対して知識も経験もなかったので、当時自分が持っていた知識が、何かを表現するのに全く自分の軸にならないことを痛感しました。そのときの恩師から、「これまでの知識はすべて捨て、とにかく自分がかっこいいと思う線を引く」という課題を課せられ、延々と一人何十メートルも線を描いたところから結果として「からみほぐし」のコンセプトが産まれました。様々な線の関係性、線によって産み出される余白、また線の疎と密のバランス、それらを考えて自分の周りの環境を眺めてみると、身の回りすべてに様々な「線」による方向性や関係性が見えてきました。

      現在では、「からみほぐし」の線の理論で、より表現としての幅を広げたいという思いもあり、線を描くことや写真を用いて風景のもつ線のバランスを捉えること、線によって空間を表現することなど、「からみほぐし」の線で表現することを続けています。

       

      ・たんさんのドローイングは、生き物のように見えるものもあり、水の泡や波のように見えるものもあり様々ですが、ドローイングしているときに頭にイメージしているものはありますか?

      自分の「線」のルーツはやはり生まれ育った小名浜の海辺の風景にあると思っています。波が寄せては返す砂浜に描かれる波打ち際の線や、夕焼けを映す揺らぐ水面の線や、朝焼けが刺す町並みの光と陰が描く線や、そんな異なる物事の関係性や刻々と変化する事象のなかに、「からみほぐし」の線があると思っています。

      描く設定・環境や、誰に対して描くか、どの場に対して描くかでいろいろですが、初めの線からイメージを受けて、疎と密、余白のバランス、線の濃淡、線のかすれや末尾の処理などを意識しながら、そして水の流れや植物の蔦のように、次の線を引いていきます。

      何かをイメージしてドローイングするというよりも、自分の中に「からみほぐし」で捉えストックしているイメージを混ぜ合わせて、コントロールと非コントロールのバランスの中でペン先から抽出させるような感覚です。

       

      ・たんさんはご自分のドローイングを通して、ご自分を取り巻く世界へ何を表現・発信しようとされていますか?

      自分のドローイングは、単純に「自分の世界の捉え方」を目に見える何らかの形で表現したいという衝動で行っています。何か具体的なものを表現したいとか訴えたいというものではなく、人や動植物や建物や道路や海や山や木や草や花や水の流れや音楽や・・・いろんな現象をただ線で捉えることが楽しいんです。普段の何気ない風景にも、線として見てみるとたくさんの情報があったりする。だからその線を表現してみたい。それがいちばんだと思います。

      (2回に続きます)

      (画像: untangle./たんようすけ(からみほぐし研究所))